学研教室を支える“中の人”たちを紹介するこのコラム。今回で12回、開始からちょうど1年が経ちました。今月のご登場は、学研教室の教材を編集する教務部の部長を務める柴田雅之さんです。
日頃のお仕事について教えてください
メインの仕事は教務部長としてのマネジメントの業務です。部全体の状況を把握して、そのうえで他部署や経営陣に報告し、また部としての長期的方針を決定していきます。その一方で、今は算数の教材の編集にも携わっています。
教材の編集において大事にしているのは、あくまで学研教室という“先生がいる環境”で自学自習することで効果が出るように教材を作ることです。これは私の社歴にもかかわるのですが、私はもともと書店に並ぶ教材や、その前は家庭に直接届く教材の編集に携わっていました。こういう種類の教材は、子どもが一人で学習するためのものです。レベルの難易はあっても、一人で理解できるような作りが大切です。
しかし学研教室の教材は、すぐには答えに結びつきにくい問題もあえて入れ、子どもたちが深く考えられるようにしています。例えば子どもたちは一般的に文章を書くことが苦手ですが、数や語句を答える問題だけでなく、自分で文章を考えて答える問題も入れています。文章を書く力をはぐくむためです。子ども一人だけでは書きにくいこともあるかもしれませんが、先生がいれば、わからないところがあってもその場で指導を受けることができます。先生がいることを前提にしているからこそ、できることです。
学研教室の教材のよいところを教えてください
今回の学習指導要領改訂では、思考力・表現力・判断力を伸ばすことが重点項目として掲げられていますが、もともと学研教室の教材は、実際に書店に並んでいる教材、あるいはスピード重視の教材とは方向性が違い、子どもたちが考えるプロセスを大切にしています。すぐに答えが出る、あるいは答えが出やすい問題だけではなくて、子どもたちが考える機会が用意されているところが、よいところと言えると思います。
また、これまではプリント教材が中心でしたが、英語を中心にデジタル教材を積極的に採り入れています。デジタル教材ならインタラクティブな学習を行うことができますので、例えば英語の発音チェックのような学習を行うこともできます。算数・国語でも、プリント教材の補助用としてデジタル教材を強化し、プリント教材だけではわからない子や、逆に物足りないと感じる子もしっかり学習できるようにしています。
お仕事をなさっていて楽しいことは何ですか
現場の先生方とお話しすることが一番楽しいです。ときには辛辣なことも言われますし、厳しいお話もいろいろありますが、そういうお話をしていただけること、直接意見をうかがうことができるということ自体を嬉しく感じます。先生方がご自分で教えるなかで「こうしたらもっとよくなる」という思いがあるからこそご意見をおっしゃっていただけるわけで、こういうことを直接言っていただける機会はなかなかありません。そういう真摯な態度で接していただける先生に感謝しています。
難しいと感じることは何ですか
これはたくさんあります(笑)。まず、先生方からうかがったことをどうやって教材に活かしていくかということですね。今回の教材改訂にあたり、全国の先生方から前教材についてのアンケートを行ったのですが、例えば「この教材はどうですか。よいところや悪いところは何ですか」という尋ね方でご意見をうかがうことにしました。
こちらが想定していたのは「基本教材が若干難しいですね」とか「図形問題がもう少し増えるとよいですね」といったレベルの回答でした。しかし実際に寄せられた内容は「何ページの何問目の第何段落の表現はこうしたほうがよい」など、実に細かい内容のご意見がびっしり書かれていたのです。先生方はそれだけ教材を理解して、きちんと対応していただいているということです。それらをきちんと読み取って、どうやって教材に活かしていくか。先生方の強い思いをどうやって教材に反映させていくか。難しいですが、やりがいを感じる点でもありますね。
学研教室のよいところを教えてください
“読む”ことを大事にしているところだと思います。算数・国語の同時学習という方法自体は、そもそも算数においても読むことを大切にしようという考えを前提にしています。考えることの最初の段階は何かということを考えると、それは読むことだと思います。相手の意図をきちんと理解して、それに対して自分の考えを出していくということです。問題を解くときだけでなく、社会とのかかわりにおいても同じです。読みが浅ければ、考えも深まらないと思います。
これはよく先生方への研修会でも話すのですが、私は若い頃に、受験対策で「問題文は全部読むな」と言っていました。時間がないのでキーワードだけ読み、さっさと問題を解いたほうがよいという考え方です。ただこれは、AIが行うことと同じです。キーワードや基本文型などをあてにして、それに対応して理解しているつもりになって、ぱっと答えるだけです。そうではなくて、時間をかけてもきちんと読んで理解して、それに対して自分なりの考えを導き出すということが大切なのです。それを大事にしているのが学研教室です。学研教室では読むことを大切にしていて、それが問題を解くことにも社会とかかわっていく上でも大切な素地となるのです。
文章に限ったことではなくて、図や表、あるいは数式を読み解いていくという力も同じだと思います。実際に算数の問題などでは、「この式や図は何を表しているでしょう」といった形の問題もあるのです。
会員さんたちへのメッセージ
学研教室に来ていただいている会員の皆さん一人ひとり、勉強の進め方や得意なところが違うと思います。違って当たり前なのですが、他の学習塾のなかにかそうした違いを認めず、揃えようとするところもあるかもしれません。学研教室は違いを大切にしながら、その上で力を伸ばしていくことを手助けする教室です。
みなさんは、違いがあることに安心してよいと思います。一人ひとりが違うことは当たり前です。わからないところがあってもかまわないのです。わかるところまで戻ってきちんと学習し直せばよいことです。他の多くの学習塾と違って、学研教室ではそういう学び方ができます。わからないところや難しいところがあっても、引け目を感じることはまったくありません。安心して学研教室で勉強してほしいと思います。
先生方に向けて
先生方からお話をうかがっていると、気づくことがあります。子どもたちの話をする時に、いろいろ大変なことはあると思うのですが、とにかく楽しそうなのです。子どものことを話したり、子どものことを考えたりするのが好きという気持ちが先生方からにじみ出ているのを感じます。教えている子どもたちのイメージが脳裏に浮かんでいるのでしょう。そのうえでお話しいただくので説得力もありますし、こちらも「また勉強できた」という気持ちになります(笑)。私たちも先生方から常に勉強させてもらっています。
先生方が子どもたちのことを第一に考えてくださるので、私たちもその気持ちに応えられるよう全力でサポートしています。実際にサポートを行うのは事務局のマネージャーさんたちが中心になりますが、マネージャーさんたちと話をしていると、先生方のことをいろいろ考えた上でこちらに対して「ここはこうしたほうがよいでしょう」といった話がよく出てきます。先生方のことをしっかり考えているからこそ出てくる言葉だと感じます。
未来の先生方に向けて
世の中にはたくさん仕事があります。その中で、人が成長することを手助けできる仕事はそれほど多くありませんが、学研教室ならばそれが可能です。子どもが目の前で、ステップをひとつ上がったことが実感できる仕事です。こうしたことを嬉しく感じられる方なら、ぜひ選択肢に入れていただきたいと思います。教科の知識は後からでもついてきます。先生としての技能についても、研修会や勉強会などで身につけていくことができます。
不安があったとしても、マネージャーさんたちがしっかりご相談に乗ります。先生同士のつながりもあり、ベテランの先生を中心に勉強会やランチ会なども開かれているようです。会社として先生方を育成する体制も整っていますので、安心してドアを叩いていただければと思います。
学研の先生になりませんか
「私の入社動機は、教える人たちの助けになりたいという気持ちです。もともと教える側に立っていたということもあるでしょう。自分で教えながら教材を使っている時に、自分で作ったものを通して教える人たちを手助けしたいという気持ちがありました。今の仕事は、昔からやりたいと思っていたことができていると思います」
ご自身の入社動機を振り返り、上のように話す柴田さん。柴田さんのような多くのスタッフの熱い思いに支えられ、子どもたちに学びの機会を提供してきた学研教室では、いま、いっしょに子どもたちのために教室を作っていただける方を募集しています。子どもが好き。教えることが好き。資格としてはそれで十分です。
説明会は全国で開かれています。
こちらのページからお近くの会場を探してみてください。実際の教室の様子は
こちらのページでご覧いただけます。
先輩先生のインタビューも参考にしてください。
このような環境で、ご自分の新しい可能性を試してみませんか。
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- DATE
- 2020.04.30 11:00:14 木
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